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ビュラン研ぎの考察 2 [ビュラン研ぎと彫り]

彫り1.jpg
ビュランを持つ

別の記事"ビュランの研ぎについての考察 1"と重複します。研ぎ器を用いて断面を研いでいるのに上手く彫れない人が居るかも知れません。あるいは手で研いでいて、断面をしっかり研いだのに彫ることができない人がいると思います。

極端な話、断面の研ぎができていると云う前提で言えば、側面の刃先部分だけが刃になっていればそれで彫ることが出来ます。それで偶然刃先の研ぎができている場合は彫ることができますが、そうでない場合は何故彫ることができないのかと悩むことになります。しかし、先だけを研いで彫ることができたとしても、長くビュランを使っていれば先細りになります。それでも良いのですが、やはり側面全体を平面に研ぎ、尚且つ刃先も研がれている状態にすべきです。そのような基準を設けなければ、修正もできないし、手に負えなくなります。

側面はむやみに研ぐと左右の幅が同じでなくなります。そうなると刃の腹と背との中心軸がずれてしまいます。それを理解せずに更に研ぐことでどうすることもできなくなります。換言すれば使いものにならなくなります。側面を研ぐ際には力を要れず滑らすように研ぐのがコツかも知れません。これはどのような刃物の研ぎにおいても云えますが、素直に研ぐということでしょうか。また、この側面の研ぎは再々行う必要はありません。

研ぎ器を用いた側面の研ぎは、横ではなくまっすぐ前後に研ぎます。そして前後に研ぎながら移動させて同じ場所ではなく、砥石面全体を使うようにします。断面の刃返りを取る際には、ビュランの柄を握りしめて研ぐのではなく、片手はビュランの先の方と軸の曲がっている辺りに添えて押さえます。持つようにします。そして研ぎ器を持ちながら先ほどのように研ぎます。研ぎ器ではなく手で側面を研ぐ場合も同じようにまっすぐ前後に研ぎますが、柄を持って研ぐとぶれる恐れがあります。それで、ビュランの柄の辺りを持って押さえながら研ぎます。


ビュランの持ち方ブログ用.jpg
ビュランを持つ 2

それから、彫りに際して私が述べているようにビュランを持つとコントロールしやすくなります。ただ、これは銅版画においての話です。それで、そのようにして持つと、次に彫り始めたい位置に刃先をすばやく置くことができます。ネットなどで見かけるような握り方、あるいはビュランの刃先に別の手を添えて彫っていては彫り作業が中断され、長い線を彫るには適していません。

実際の持ち方は、握る柄の窪みに小指と薬指を当て、残りの親指と中指でビュラン軸を挟んで持ち、人差し指は軽く背に添えます。窪みに添えた薬指で掌に抑え、小指は添えるという感じになります。そうすることで、先ほど説明したように扱いやすくコントロールすることができ彫りの作業が自体が早くなります。彫る段には自身にゆっくり、ゆっくりと言い聞かせるようにして彫り進めます。止めるには、意識してビュランの柄を少し持ち上げればそこで止まります。それから、ビュランを握る指の爪は短く切り取ります。

※ 追記
手による研ぎでは、ドリルストッパーを用いて研ぐ方法を述べています。技法書及びブログ記事を検索してみてください。今まで以上に簡単に、しかも確実に研ぐことができると思います。
(2022.06.29)



ビュランを持つブログ用.jpg
銅版を彫るビュランの持ち方


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