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ビュランの研ぎにおける雑感 [その他]

3.研ぎ器の修正.jpg
研ぎ器の修正

私がビュランを手にしたのは、エッチングの一助にするためでしたが、いつの間にか別の方向にのめり込んでしまいました。たぶん、私の性格によるのだと思います。手による研ぎもできますが、私は四角形のビュランは研ぎ器で研いでいます。

写真は、多摩美術大学の大矢氏が所有しているビュラン研ぎ器です。それを手直しして、送り返す前に撮ったものです。ボルトネジがしっかり固定されていないものが私の手元にあったものですから、送ってもらいすべて点検し、ついでに形を削って作り変えました。なぜそのようなことが修正の原因になったかと言うのは、大矢氏から頂戴したラッピングフィルム研磨紙にあります。精度の高い研ぎができる反面、調整もそれなりにしなくてはいけないからです。

大矢氏以外に手直しした人がいますが、今のところ連絡のない方が多くいます。使用されていないか、気づいていないか、まったく問題ないかのいずれかだと思います。

画像にあるビュランは大矢氏が仕立てたものです。研ぎの状態を見たかったものですから、ついでに送っていただきました。また、画像のビュランの中には、透明樹脂で作ったものもあります。私が言うのもなんですが、美しいです。これらは亡くなった弟が型を作って樹脂を流して作ったものです。ですから、型のものはこれっきりになります。その最初の原型から作ったものが、左端のビニール袋に入ったものです。大矢氏の所有物ですが見本として残すために形はそのままにしました。それから、研ぎ器の下の台は大理石のインキ練り台になります。

厚いアクリル板があるのはラッピングフィルム研磨紙を貼り付けるものです。大矢氏からは、本当は厚いガラス板で使用するのがよいとのことでしたが、とりあえずアクリル板にしました。

研ぎ器は断面のものだけでなく、側面用も作りました。それは大矢氏からの要望があったからです。もしそうでなければ作っていなかったと思います。私自身側面の研ぎは、市販のアメリカ製のビュランシャープナーで十分だったからです。

ラッピングフィルム研磨紙は余り知られていないと思います。私が偶然目にしたころ、大矢氏から粒度の異なるものを二組ずつ頂戴いたしました。これは砥石とは異なり、使い捨てになります。経済面でどうかは分かりませんが、研ぎにおいてはとても重宝します。幾ら上等の砥石でも使用していると必ず表面が平滑ではなくなり、面の修正が必要になります。

このラッピングフィルム研磨紙を使ってビュランを研ぎ上げるには、しっかり研ぎが身に付いていなければその効果が発揮されないと思います。ですから、ラッピングフィルム研磨紙は研ぎ角度、断面のとぎができる者でなければ使用は難しいと思います。しかし、研ぎ器を用いての研ぎは別です。実際に研ぎ上げたビュランの断面を見てもらわないと文章説明では無理です。大矢氏には感謝です。

シクラメン.jpg
2004.01.20 / 380×280㎜ アルシュ水彩紙 色鉛筆


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