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クッサンについて [銅版画の道具と材料]

クッサンのある作業台.jpg
クッサン(彫版台)

クッサン(彫版台)
ビュランを使用している人の多くはクッサンを使用していると思います。しかし、ネットなどで見る丘状のクッサンは銅版画、ビュラン制作で必要だろうかと思います。写真のクッサンは銅版画を始めた頃に購入したものです。最初は慣れるまで使いにくいと感じました。それに大きな版には不向きです。

このクッサンは見ての通り平らなものです。丘状のものは安定して彫ることができないと思います。それで、彫られた溝の深さが一定ではなく、浅かったりします。その為ビュラン独特の清潔感のある線が生まれません。基本として、ビュランは使用するビュランの太さに応じた線を彫るものだと思います。多少の強弱、運筆のようなものはあると思いますが、それはまた別の話です。

ですから、クッサン、彫版台は適当な台があれば良いと思います。銅版が扱いやすく、彫る姿勢が安定すれば疲れることもありません。そして、彫り屑を払い除けることができれば、仕事のじゃまになりません。

写真のクッサンの高さは60㎜程です。もし低いと思えば何か台座を敷いてかさ上げすれば良いと思います。市販のクッサンに拘らず適当な厚みの台座を用意して、少し厚めの革を貼ると程よく版を動かすことができます。

銅板の厚さ
また、使用する銅板の厚さは1.2㎜が良いと思いますが、せめて1.0㎜は欲しいと思います。0.8㎜では薄すぎます。薄いと反ったりしてビュランには不向きです。印刷においても扱いにくいと思います。数字ではそれぞれ、0.2㎜の違いですが、実際版を手にすると大きな違いだと気づきます。

もし、長年銅版画制作を続けていて、薄い銅板を使っていることが気になったとしたら、必ず後悔します。制作した版はすべてのエディションを刷ることはまれです。そのようなことも絡んできます。ただ、そのようなことが気にならないのならそれだけの話です。私が銅版画を始めた頃、著名な作家の個展を観に出かけた際に、使用している銅板の厚さ、それに版を燻すかと聞かれたことがあります。私が答えると、私の返答に肯いて下さいました。

銅版は裏に滑りやすいもの、例えば家具を滑らすものに塩化ビニール2㎜を貼り、それに粘着の弱い両面テープで銅版を貼ります。そうすることで銅版に厚みができて扱い易くなります。あるいは、段ボール紙を貼り付けても良いと思います。大きな版は段ボール紙を貼り、直接作業台で彫ります。この外にもっと良い方法があるかと思います。

クッサン自作と彫版台.jpg
クッサンと自作彫版台


クッサン(彫版台)について.pdf

タグ:クッサン
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