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「夜想曲」 / メッキを施した原版のスキャン [銅版画]

夜想曲原版ブログ用.jpg
メッキ原版のスキャン
1992 / 500×323×1.2㎜

メッキを施した原版を二分割でスキャンして画像を合成したものです。随分前のものになります。この頃初めて横山メッキ工業所でメッキをして頂きました。この版をメッキに出すことにより、横山氏からの依頼で拙い技法書ですがそれを書くことになりました。

画像の黒く見えているところが、印刷をすると白くなります。それで、この版はプレートマークを含めて、図柄の周囲が紙の色になります。印刷には拭き取りが厄介です。銅版画を長く制作された方からしたら、嫌な版となります。実際にそのようなことを言われたことがあります。また、別の作家が見えたときにこの版で印刷の仕方を請うたのですが、印刷できないと言われた事があります。

拭き取りには紙は使用しません。紙は案外堅いものです。紙で拭き取るということは疵付けることにもなります。この紙での拭き取りで、一風変わった拭き取りを目にしたことがありす。フランス人の作家です。某輸入代理店が扱う銅版画用具、材料販売の為のデモンストレーションで見ました。その印刷を見ることがあり、このとき初めて銅製の紙バサミ(ミトン)を見ました。

会場を変えて二度出かけました。二度目の際に、拙作を差し上げたところフランス人の作家からも作品を頂きました。その場で何か書かれましたが、私には判読ができません。ただ体感として覚えているのは、とても力のこもったと云うか痛いと感じた握手でした。

ビュランは楕円の太さの異なるものを用いています。太い線を彫るには緊張します。自身で高揚するのが判ります。人気のない誰にもじゃまされない深夜に彫りました。線は運筆を意識して彫っています。まだ研ぎ器がが頭になかった頃の作品です。

タグ:銅版画
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