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プレートホルダー・ 銅版の燻し / 銅版画の道具 [銅版画の道具と材料]

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プレートホルダー

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プレートホルダーの使い方 / 銅版の大きさ 215×185×1.2㎜

銅版画制作においてグランドを塗布した後、そのグランドをティーパーで燻します。中にはそのような作業を省くこともありますが、燻すことによってニードルで描画した線が見やすくなります。

普通は燻す作業をハンドバイスで行うのですが、これは扱いが面倒でせっかくのグランド皮膜を疵付ける恐れがあります。ある程度小さな版ならそれでも注意して行えば問題はありませんが、少し大きな版になると手に負えません。

そこで、このプレートホルダーなら中型のプレス機で使用する銅版くらいなら十分使用可能です。ただ、それ以上のプレス機で使用するには別の方法を取らないといけません。このプレートホルダーでグランドを燻した後、版をひっくり返し挟み直して加熱すると、そのグランドに付着した煤を定着さすことができます。プレートホルダーの実際の使用方法は「Ⅰ-6 グランドの塗布と燻し.pdf」をご覧ください。その他にもアクアチント技法において散布した松脂を溶かして固着さす際にも使用できます。あるいは少し作るのが面倒ですが、プレートホルダーに樹脂を用いて腐蝕用のホルダーにすることもできます。

下の写真はそのプレートホルダーとハンドバイスです、このハンドバイスの挟み口には薄い木片を貼り付けています。金属のままではグランド膜を通り越して銅版自体を傷つけてしまうからです。ハンドバイスを扱うにはむやみにひっくり返すと、先ほど述べたように銅版が動いて傷になります。それで、反転する際には垂直に下げたまま向きを変え、また垂直に持ち上げて水平にして燻します。

プレートホルダー とハンドバイス .jpg
プレートホルダーとハンドバイス

私が使用しているプレス機のベッドプレートの大きさは510×1100㎜なので、ここに有る一番大きなプレートホルダーで十分使用可能です。そのプレートホルダーは広げると500~600㎜になり、使用する銅版の対角線が同程度ならこれで大丈夫です。


B プレートホルダー13本.jpg
プレートホルダー13本

A プレートホルダー13本.jpg

ここで述べているプレートホルダーの扱い方とその製作風景は、「銅版画技法」及び「ビュラン 研ぎと扱い方」を参照して下さい。また、小さな版の仕事なら、適当な太さの針金の両端に輪っかを作り、その中央にも指掛けように捻って輪にすればよいと思います。


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