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お知らせ「LA GRAVURE EN TAILLE-DOUCE 」からの一部翻訳について [技法書]

今までアップロードしていました『銅版画印刷 / 黒色印刷( pdf 40頁 / 13MB)』を削除しました。興味がある方は、原書「La gravure en taille-douce / paroles de graveurs」をお読みください。

尚、拙著の技法書は引き続き自由にダウンロードできます。転載も可能です。その為のアップロードです。

技法書らしきものを書いた経緯については以前にも投稿しています。物を書くと云うことは、私はこう思うと云うことが前提だと思います。既にあるものと同じことを書くなら意味がありません。銅版画に興味を持ったことについてもすでに投稿記事で述べています。

銅版画を始めた頃、銅版画と云えばビュランを指すと云う一文を読んだことがあります。ただそのような事でビュランに手を染めました。実際銅版画に携わっても、もっぱら制作をすることよりも環境をつくったり、銅版画制作に必要な道具作りの方に興味がいき今もその延長線上にいます。制作作品は無いに等しい感じです。

拙著の技法書は、自身であれこれ取り組む中で生まれたものです。その技法書に対して、ある方からは役に立たない、また別の方からは何かを写したのだろうと揶揄されたことがありました。ですから、私の書いていることを、一度、二度、そして三度と試して上手くいかないようなら、やり方が悪いのか、書かれていることが間違っているのかと思ったなら、自分に合った方法を探ってください。何か良い方法があるはずです。何度も書いていますが、技法はその人のものです。余談ですが、昔から「技法書を書く人に、上手い人はいない」と云われています。

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burinと研ぎ器のある作業机 [ビュラン研ぎ器]

ビュランと研ぎ器のある作業机 c.jpg
1.ビュランと研ぎ器のある作業机

ビュランと研ぎ器のある作業机 b.jpg
2.ビュランと研ぎ器のある作業机

自作のビュラン研ぎ器は、それぞれ微妙に異なり、断面を研ぐには少し時間がかかます。それで、ダイヤモンド刃物研ぎ機(#400)を用いています。そのダイヤモンド砥ぎ機を使用するには、アクリル台でビュランの刃先の出を見るので、それと同じようにするには少し台を下げる加工が必要です。

研ぎはダイヤモンド砥石#1000、耐水研磨紙#2000、アーカンサス仕上砥石#6000で研ぎます。そして研ぎ器から外して二つの側面を同じ小さなアーカンサス仕上砥石#6000で研いで刃返りを取ります。この時砥石に添わせて手前に引くと、かすかに刃返りが取れるのを感じられます。それから再度研ぎ器に装着して断面を研ぎます。このようにして研いだビュランで彫ると、彫りくずがビュランの断面中央から真っすぐ立ち上がります。尚、ここではアーカンサス仕上砥石を大小二つを使用しています。側面を研ぐには、大きなアーカンサス仕上げ砥石で行うのですが、それには砥石の向きを変えて研がなければならないので、それを省くためにもう一つ小さな砥石を用意しています。私が自作のビュラン研ぎ器を使って研ぐには、このようにして研いでいます。

尚、手前にある緑のビュラン研ぎ器は、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics, FRP)で作っています。これは、エポキシ樹脂は液体ですので、それをパテ上にします。それには、アエロジルとタルクを混入して撹拌して作ります。必要量に硬化剤を適量入れます。その強度を上げるために、ガラスマットを7㎜程に切った物(チョップ)をパテに入れて練り込みます。この研ぎ器は硬化した樹脂の塊を削ったり、盛ったりして成形した後何度も磨いています。この樹脂を扱うにはある程度経験が必要です。

ガラス繊維 チョップ.jpg
ガラス繊維 チョップ

研ぎ器の左横にあるものは三角トリマーですが、スクレーパーとして使っています。簡単に彫りくずを、それもまとめて切り取ることが出来ます。尚、この三角トリマーは、ドリルストッパーを用いて手で研ぎます。この三角トリマー同様、手でビュランを研ぐ際にも、ドリルストッパーを用いて研いでいます。一見すると簡単な、単純な研ぎ方に見えますが、それに気付くには長い時間を要しています。今は手による最上の研ぎ方だと自負していますが、所詮技法は人それぞれだと思います。

※ 研ぎ器での研ぎで、アーカンサス仕上げ砥石を使用していますが、耐水研磨紙#2000で終えても十分彫ることが出来   ます。その時は耐水研磨紙#2000で刃返りを取ります。


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