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8.研ぎ器における研ぎ及び砥石の追加説明 8/8 [ビュラン研ぎ器]

ビュラン研ぎ器の砥石について追加.jpg
研ぎ器における研ぎ及び砥石について

このビュラン研ぎ器での研ぎは、ダイヤモンド砥石を用いることを前提としていると説明しましたが、画像のような砥石を組み合わせてもしっかり研ぐことが出来ます。その他の砥石を用いても砥石用のアクリル台を使用すれば同じことです。ただ、使用するどの砥石も平面が出ていることが必要です。画像の砥石を使用した場合も彫りくずは断面中央から真っすぐ立ち上がります。ここにある砥石で研ぎ器を使用してビュランを研いでいますが、手で研ぐ際にも基本これらの砥石で研ぎます。その研ぎについてもブログ及び技法書をご覧ください。

研ぎの状態を、バイスの口金で二辺の長さを見ても、すでに使用していて側面を研いでいるなら幅が違う可能性があります。一度ノギスで測ってその状態を見るのも良いかと思います。それらを考慮して二辺の長さを見ることです。また、まっさらなビュランがあるならそちらも一度ノギスで幅を測り、口金に添わせて断面の二辺の長さが同じなのを確認すると良いと思います。この研ぎ器は、新しいバローベ (vallorbe)のビュランで試し研ぎをして、バイスの口金に添わせた時に二辺の長さが同じになるように調整しています。ですから、使用しているビュランを研いでみて、左右の幅が違っていても問題なく研ぎが出来ています。


※ ビュラン研ぎ器及びその研ぎについて
ビュラン研ぎ器は、穴を開けたボルトを45°の角度で左右にぶれない状態で取り付けています。その穴を開けたボルトにビュランを差し込んで、蝶ナットで押さえています。それには、ビュランが動かない様にナットにV字の溝を彫り、そのナットの溝が研ぎ器本体の穴の開いた45°のボルトと一直線になるように取り付け、ビュラン軸の断面が直角に交わるように微調整します。その状態で溝を彫ったナットが動かない様に、穴を開いたボルトにイモネジでそれを留めます。後はポリプロピレンワッシャーを重ねて蝶ナットで締め付け固定します。これで、ビュランを45°の角度で断面を研ぐことが出来ます。後は側面を刃に仕上げておけば、二つの側面は次からは断面を研いだ際の刃返りを取るために研ぐだけです。また、刃先が欠けた時は断面を研いで、それがなくなるまでビュランの断面を研ぐことになります。

研ぎにおける砥石は、粗砥、中砥、そして仕上げ砥が必要です。ビュランで仕事をしていて切り止んだ時は中砥から始めます。刃先が欠けた場合は粗砥から始めることになります。研ぎで出来る刃返りを取るには、仕上げ砥で軽く研ぎます。画像での砥石は、円形砥石が粗砥(黒い層)、中砥(赤い層)、そして耐水研磨紙#2000を仕上げ砥と見做しています。また、手によるビュラン研ぎにおいても、ここで述べている砥石を用います。その研ぎについても詳細はブログ記事及び技法書をご覧ください。

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7.ダイヤモンド砥石台と砥石用アクリル台 7/8 [ビュラン研ぎ器]

イヤモンド砥石台と砥石用アクリル台.jpg
ダイヤモンド砥石台と砥石用アクリル台

ディスクサンダーで角を削る.jpg
ディスクサンダーで角を丸める

砥石用のアクリル台の不要な部分を切り落として整えたら、ディスクサンダーで角を丸く削ります。その後、紙やすり#120程度の粘着ロールをアクリル板に貼り、その上で削って整えます。そして、仕上げにはもっと粒度の高い紙やすりで再度整えます。また、研ぎ器の滑りをよくするために、周囲は鉄ヤスリで面取りをします。この面取り後も粒度の高い紙やすりで整えて仕上げます。

砥石用のアクリル台は、ダイヤモンド砥石の上に載せて使用します。ダイヤモンド砥石を用いてビュランの断面を研ぐのは、簡単に速く、それも確実に平面に研ぐことが出来るからです。以前、研ぎ器を購入された方から、長年ビュランを手にして自信を持っていたが研ぎ器を使用した研ぎにはかなわないと云われたことがあります。刃物を研ぐにはいくつかの異なる粒度の砥石を用います。それで、砥石を変えても同じに研ぐ必要が生じます。また、この研ぎ器は、切れ止んだビュランを研ぐ度に同じ角度にて研ぐことが出来ます。

尚、ダイヤモンド砥石台は、ブログ及び技法書等で何度も述べていますが、薄いベニヤ板をカッターナイフで切り抜いて木工ボンドで貼り合わせています。その後形を整えてラッカースプレーで塗装しています。。砥石台の深さは3㎜程です。また、画像にあるビュランは、バローベ (vallorbe) 高速度鋼(HSS)スクエア ビュランです。

それから、これは何度も書いていますが、市販のものを工夫して使用するなり、あるいは自身で作るのも良いと思います。きっと良い方法があると思います。それにこれも何度も述べていますが、楽しむことです。

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6.ダイヤモンド砥石の為のアクリル台を作る 6/8 [ビュラン研ぎ器]

ダイヤモンド砥石台の為のアクリル台を作る.jpg
ダイヤモンド砥石台の為のアクリル台を作る

研ぎ器の砥石用アクリル台を作りましたが、画像で作っているのは、ダイヤモンド砥石を砥石台に収めた状態で使用するものです。厚みの薄いダイヤモンド砥石を使用することを前提にしているので、砥石台の深さを考慮して5㎜厚のアクリル板の裏には3㎜のアクリル板を接着しています。

接着の際にはダイヤモンド砥石の幅よりも、コピー紙1、2枚の隙間を作って貼り合わせます。ですので、使用する砥石に合わせて作ることになります。画像は貼り合わせたアクリル台を必要な幅に切り取っているところです。この後、角をディスクサンダーで丸め、周囲の面取りを行います。

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5.ビュラン研ぎ器の販売 5/8 [お知らせ]

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ビュラン研ぎ器と二つのアクリル台

ビュラン研ぎ器の販売です。そのビュラン研ぎ器は、二つのアクリル台とセットになっています。今回の研ぎ器はブログ記事で述べました調整を済ませたものになります。材質はキャスト製樹脂で、型から取ったものを一つずつリューターを用いて削り直しています。

この研ぎ器での研ぎにおいては、砥石の粒度を変えても同じように研ぐことが出来る利点があります。また、断面の研ぎは断面の周囲に刃返りができる最小限の研ぎで済み、側面の研ぎはその刃返りを取り除くための研ぎになります。

刃先が欠けた場合は、研ぎ器に装着してダイヤモンド刃物研ぎ機で研ぐと簡単に修正できます。後は同じように砥石で研ぐだけです。切れ止んだ時は2、3分もあれば研ぎ出すことが出来ます。この研ぎ器で研ぐと断面中央から彫りくずが真っすぐに立ち上がります。あるいは、手での研ぎを身につける際も、修正する時はこの研ぎ器を用いればしっかりした角度が出せるようになります。詳細は技法書を参考にしてください。

研ぎ器に差し込んでいるビュランは、バローベ (vallorbe) 工具鋼(WS) スクエア ビュランを曲げて、アメリカ製の柄に挿げ替えたものです。このバローベ のビュランは、とてもお勧めです。

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