屋上アンテナスケッチ [版画関連]
屋上アンテナスケッチ
1992.01.03 p.m.05:30 / 180×282㎜ アルシュ水彩紙着彩 crayon bleu
このスケッチは以前住んでいた屋上で描いたものです。簡単な殴り書きのようなスケッチですが、後で部分的にエッチング、ドライポイント、マニエル・ノワール、アクアチント、リフトグランド、そしてエショップ(楕円)を用いて試作しました。
エショップは楕円の太い描画針を斜めにカットしたもので、これを使って立たせたり寝かせて線を引くと、細い線から太い線まで自在に引くことが出来ます。この線を腐蝕させて印刷すると少しビュランのような線にもなります。エショップを用いた有名な銅版画家もいますが、今は使用されることがまれなように思います。銅版画の試作ではそれをアンテナの表現に用いています。
エショップ
エショップ先拡大
上が市販のもので、下が自作のものになります。これは画材店では楕円ニードルとして扱われているもので、普通のニードルとは異なり先が45°程度に切り取られています。しかし、ビュランのように厳密な角度ではなく、自身が望む線が引けるように作り変えても良いと思います。またグランド描画のニードルの様に滑らかに線を引くものですが、用途によっては刃先のエッジを立たせて研ぐと、かなり細い線が引けます。
先を立たせて用いればエッチングニードルのような細い線が、また適度に寝かせれば太い線が引けます。あるいは、エショップを連続して回しながら線を引けば、ビュランに似た始まりと終わりが細く、その中間は太くという表現ができます。しかし、このエショップでの表現は限られたものになるかも知れません。具象銅版画よりも、デザイン的な表現、ありは抽象的な作品に用いれば表現の幅が広がると思います。 併せて「色々な技法による屋上アンテナの習作」をお読みください。
タグ:風景スケッチ
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