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原版の保存 [版画関連]

メッキの原版ブログ用.jpg
防錆紙での原版保存

印刷を終えた原版の保存には人それぞれの方法があると思いますが、銅板用の防錆紙を用いるのも一つの方法です。防錆紙に包むだけでも防錆の効果があります。その他には防錆ポリ袋などもあります。

保存方法にグランドを塗布することでも良いのですが、印刷時には一々グランドを落とさなければなりません。あるいは単に紙で包んでも良いのですが、その場合はできれば中性紙を用います。新聞紙などで包むとその印刷物が銅版に写ることがあります。あるいは試刷りを利用すると中の原版の図柄が分かり識別に便利です。

写真の原板はメッキを施しています。メッキをした版を印刷した結果として、印刷における耐圧はもちろん拭き取りや後始末に優れています。しかし、一旦版に瑕をつけると修正をするにはメッキを落とす必要があります。それで、今では、メッキに出すことはありません。尚、写真は銅版画作品「無花果」の原版です。

原版を防錆紙で包むブログ用.jpg
原版を防錆紙で包む

原版を防錆紙や中性紙に包んだままでは何かの拍子に瑕つける恐れがあるので注意して扱います。その為に、包んだ際に図柄が下になるようにします。もし何か落としたとしても表面を守ることができます。

写真はメッキに出した版の保存ですが、ここまでして数多くの原版を保存することは難しいと思います。以前、原版を横山メッキ工業所にメッキに出した際には、必ず防錆紙で包んで図柄が下になるようにして返送されていました。

余談ですが、メッキを施した版での印刷可能な枚数を横山様に尋ねたことがあります。確か3.000枚印刷したことがあったと教えていただきました。その印刷のために幾度かメッキを剥がして新しくメッキをやり直すとのことでした。


原版の保存2ブログ用.jpg
化粧ベニヤ板にくり貫いた段ボール紙を貼っての保存


原版の保存ブログ用.jpg
化粧ベニヤ板と塩化ビニールで保護する


タグ:原版の保存
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