アクアチント・ボックス / 銅版画の道具 [銅版画の道具と材料]
アクアチント・ボックス
銅版画制作では線による仕事ばかりではなく、アクアチント技法を用いれば面による仕事も可能です。そのアクアチント技法は、水彩画のような表現を行うことができます。
アクアチント技法では、松脂の粉末を散布して過熱により固着させて腐蝕液に浸けると、松脂が固着した箇所は腐蝕されずに他の所が腐蝕されます。そのできた窪みにインキを残してプレス機に掛けるとインキの面が印刷されます。そして、散布する松脂の密度加減、あるいは腐蝕の時間で調子が変化します。ただ、画が平面になる嫌いがあります。
松脂の散布には布に包んで松脂を版面に落とすのですが、箱の中で粉末の松脂を風で巻き上げて間接的に散布する方法があります。所謂アクアチント・ボックスと云われるものを用いて散布します。アクアチント・ボックスの大きさは、自身のプレス機で仕事できる大きさの銅版が使用できるものにします。市販もされていますが自身で作ることもできます。写真のアクアチント・ボックスは2週間程かけて作りました。ボックス内に明かりが入るように作っています。
アクアチント・ボックスは、木製にこだわらず段ボール箱を工夫して作っても良いと思います。要は松脂が散布できればよいのです。
銅板の出し入れを行う開口部
松脂を散布した銅版
このアクアチント・ボックスについての詳細は、銅版画技法「Ⅲ-2 アクアチント・ボックス」を参照してください。また松脂の粉末についても同じ技法書の「Ⅲ-3 松脂の塊を砕く(粉末にする)」を参考にして下さい。
Ⅲ-2 アクアチント・ボックス.pdf
Ⅲ-3 松脂の塊を砕く(粉末にする).pdf
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