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スペイン白の塊(拭き取りで使用)/ 銅版画の道具 [銅版画の道具と材料]

スペイン白の塊.jpg
スペイン白の塊
 
「スペイン白の塊」は聞きなれないと思います。銅版画を制作している者でも初耳かも知れません。これは絵画制作の下地に使われるもので、ムードン白(天然白亜 / MEUDON)として販売されています。これには下地用と仕上げ用があり、ここで使用するのは仕上げ用でです。下地用では粒子が粗く使用には適しません。このスペイン白の塊の詳細な作り方については「銅版画技法 / Ⅱ- 9 スペイン白の塊を作る」を参照してください。
 
スペイン白の塊はインキを詰め終えた版の仕上げ拭きで、版面に残った油膜を取り除く際に使用します。私が知る限りでは日本の技法書には出てきません。多くの制作者は紙片や人絹などを使って油膜を取っていると思います。あるいはタルクを手のひらにつけ、余分な粉を払って掌で拭くのかも知れません。私は紙片や人絹は使わず正絹を用いています。
 
スペイン白の塊と言うように、粉を一旦固めてから使用します。粉のままでは辺りを汚したり、せっかく拭き上げた版面に落とすとそこだけが白く抜けて印刷されます。それを防ぐために、あるいは扱いやすくする為に塊にします。これを知ったのは偶然入手した「LA GRAVURE EN TAILLE-DOUCE / DESSAIN ET TOLRA」に掲載されていたもので、原文では2、3行での説明です。これについては印刷の章を訳しているので、「黒色印刷・訳」を参照してください。もし興味があれば試しに作り、役に立つかどうかは自身で判断してください。尚、私はこれを作るにあたって二度失敗しています。
 
 
スペイン白の撹拌.jpg
スペイン白(ムードン白)をこねる
 
 
銅版画技法Ⅱ-9 スペイン白の塊を作る.pdf

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