グランド攪拌棒とプレートホルダー [銅版画の道具と材料]
グランド撹拌棒とプレートホルダー
グランド攪拌棒とプレートホルダーです。これらを作る金型へのアクセスが多いです。グランド攪拌棒は名前の如く、銅版に塗布するグランドを掻き混ぜるためのものです。銅版画を始めた頃、グランドを細い使い古した筆で混ぜていました。その後始末が面倒なのと、グランドが無駄になるので何かないかと思案していました。そして、プレートマークを作った際の端材を利用することで、このような撹拌棒が出来ました。プレートホルダーの副産物です。使用後はひと拭きすれば綺麗になります。余談ですが、版に流し引きした余分なグランドは、容器に戻さず処分した方が良いと思っています。浮遊中の埃などを取り込むからです。
プレートホルダーは、銅版に塗布したグランドを燻すためのものです。また、その後逆さにして挟み、銅版の裏から加熱して煤を固着するものです。それまでは、壁掛け用、それに身長を測るようなスタンド型のものを作りました。処分せずに残しておいても良かったのですが、引っ越し等で無くなりました。一番大きなプレートホルダーは、私のプレス機で使用できる銅版の大きさに合わせて作っています。銅版の対角にフックをかけて使用します。中くらいのプレス機に十分使えます。それに、私がいつも使用する1.2㎜厚の銅板でも大丈夫と云うか、厚みのある銅版の方がしっかり挟むことが出来ます。
プレートホルダーは、グランドの燻しの他にアクアチントでの松脂を散布した銅版にも使えます。また、ガラス繊維に樹脂を含侵して巻き付ければ、酸に強いので腐蝕にも使えると思います。これらのグランド攪拌棒、プレートホルダーについては拙著の技法書等をご覧ください。尚、興味を持たれたなら、画像のものに拘らず、適当な針金を用いて作っても十分用を成すと思います。最初はそのようなものから始まりました。
1.プレートホルダーの使用
2.プレート・ホルダーでの燻し
3.松脂の定着 a
4.松脂の定着 b
5.プレートホルダー とハンドバイス
6.プレートホルダー a
7. プレートホルダー b 13本
8.輪用金型
9.プレートホルダー金型
10.プレートホルダー製作過程 a
11.プレートホルダー製作過程 b
これら組み物のプレートホルダーは、数人の手元にあると思います。ただ、それを使用しているかどうか分かりません。これとは別に、ずいぶん前にメッキ工業所の横山様を通して、幾人かに差し上げたこともあります。