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銅板切りとアクリルカッター 1 [銅版画の道具と材料]

銅板きりとアクリルカッターブログ用.jpg
銅板切り(引っかき)と刃を加工したアクリルカッター

上の写真は銅板きり(引っかき)と、刃を加工したアクリルカッターです。銅板切りはアメリカ製です。しかし、刃に厚みがあるので鋭利にするために薄く加工しています。その下がアクリルカーターの刃を作り変えたものです。リューターで刃の角度を30°に作り直し、ダイヤモンド刃物研ぎ機で刃のV字の部分を本来の厚みに削り落としました。ですから、どちらも刃先角度は30°です。

銅板は普通金属店、あるいは銅版画道具を扱っている専門店、そして画材店で購入するのだと思います。それは任意の大きさで切り取ってもらうか、あるいは規格品を購入することになります。

しかし、自身で切り取るとなると面倒です。美大、工房などでは切断機があると思いますが、一旦そこを出てしまえば何らかの方法を考えなければなりません。手元に銅板があるとして、必要な大きさに切るとなると、自身で切ることができない場合は、購入した金属店や切断機のあるところまで足を運ばなければなりません。しかし、もし制作中の版を切断するとなれば話が違います。銅板の扱い方も違ってきます。やはり自分で切り取ることに越したことはありません。長く銅版画制作を続けるなら尚更です。

以前、銅版画に使用するのではないのですが、知人に1ミリ厚の銅板を封筒の長形3号程度に切り取って欲しいと頼まれたことがあります。自身でアクリルカッターで試みたそうですが、どうしても切り取りが出来ないとのことでした。それで、彼の目の前で銅板切りで切断するとあっけに取られていました。アクリルカッターの刃先角度は70°ですが、銅板切りは30°です。このことからもアクリルカッターでは銅板は切り取れません。

刃を作り変えたアクリルカーターで銅板を試しに引っかいて見たところ、問題なく切り込むことができ十分使用可能です。この加工した刃の良いところは交換できるということです。そして何よりも、同じ厚みの刃で切込みができることです。ですから、卦書き線が正しく印されていると、同じ位置で切り込むことができます。

差して需要は望めないと思いますが、このような銅板きりの道具があると、研ぐ必要がないので誰にでも扱えると思います。また、銅板を切るのが愉しくなります。このアクリルカッターの形に拘らず、銅板切りとして替刃式のものがどこかで製品にならないものだろうか。


アクリルカッター刃合成.jpg
1.アクリルカッター / 刃先角度70°と30°

作り変えた刃で切る.jpg
2.作り変えた刃で引っかいた銅板


ここで述べるまでもありませんが、銅板を切る際には、銅板とスチール定規を作業台にしっかり固定することです。その際にスチール定規に二ヶ所両面テープを貼り、銅板に貼り付けても良いと思います。後の作業に役立ちます。

作業台にしっかり固定することは、プレートマークの製作にも言えることです。片手で版を抑えるのではなく、固定すれば両手が使え、安定して作業が行えます。製版後のプレートマークの修正では、版を疵付けないためにも、やはり何らかの形で固定することが望ましいと思います。


※ 併せて、「アクリルカッター刃の加工とそれを用いた銅板の切断」
銅板切りの使い方(引っかき角度)」の記事及び動画をご覧ください。

追加記事及び動画をご連ください。
「銅板切りとアクリルカッター 1」の補筆として
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