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銅板切りとアクリルカッター 2 / 加工刃での銅板の切断 [銅版画の道具と材料]

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アクリルカッター刃の加工 1

1. アクリルカッターは、その名の通りアクリルを切り取るためのもので、引っかいて細い溝を切り込みます。また、アクリルの刃を見ると分かるように、刃先は70°の角度でV字の刃になっています。それで、アクリルカッター刃のままでは細い筋がつくだけなので、ダイヤモンド刃物研ぎ機でV字になっている部分を削り落とします。その際断面は刃の側面と直角になるように削ります。ダイヤモンド刃物研ぎ機がない場合はオイル砥石で削り落とします。


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アクリルカッター刃の加工 2

2. アクリルカッター刃の角度は70°です。それを銅板切り(引っかき)と同じ30°に作り変えます。それにはリューターを使って切り取りますが、ない場合はダイヤモンドヤスリで削り落とします。

先に刃にマスキングテープを貼り、切り取る角度を印し、それを目安にして切り取ります。その時、元からある半円はなるべく残すようにします。その半円が刃をとめる役目をしているからです。不要な板にC型クランプで固定して行います。


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アクリルカッターの刃を加工 3

3. 加工を終えた刃です。その下の台は銅板切り用の専用台になります。尚、加工については、「インタリオ ブログ記事「銅板切りとアクリルカッター 1」の補筆として」の記事及び動画を参考にしてください。


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加工した替え刃で銅板を切り取る

4. 銅板切り台に銅板と定規をC型クランプでしっかり取り付けます。銅板の上にある引っかき屑は削り取ったものを集めたものです。銅板の上部はどうしても切り込めないので、銅板の上下を入れ替えて切り込みます。前もって二箇所ほど定規に両面テープを貼り銅板に貼り付けておくと定規がずれないで向きを変えられます。

また、定規のエッジが銅板を傷つける恐れがあれば、前もって銅板にマスキングテープを貼って保護します。切り込んで、切り込めなかった上部も上下の向きを変えて切り込んでおきます。

片面の切込みを終えたら、銅板の向きを同じ状態で裏返して同様に切り込みます。左右を間違うと同じ位置で切り込むことができません。何度も切り込むと刃先が銅板にめり込んで動かなくなりますが、それは十分に切り込んでいるからです。また、切り込む際は途中で手を止めないで引っかききることがコツです。途中で止めるとそこで窪みができ、刃先が引っかかり手前に引くことができません。これも同じように向きを変えて、切り込めていない部分を切りこんでおきます。折り曲げる際に捩れないためです。

また、アクリルカッターの刃は角度を作り変えているので、銅板切り(引っかき)とは違って刃先を寝かすには持ち手の柄を上げ気味で切り込みます。少し慣れが必要かも知れません。


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切り込んだ銅板を縁に沿わせて折り曲げる

5. 銅板きり台の縁に切り込み線を沿わせて上下に折り曲げます。もし、スチール定規を両面テープで貼り付けているなら、その状態で縁に沿わせて折り曲げます。この説明で切り取っている銅板は3度ほど折り曲げると簡単に切り離せました。
 

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切断した銅板

6. 切り取った銅板です。この後断面口を整え、プレートマークの作製になります。左に見える定規は線を卦がく上で便利です。また、紙の採寸にも重宝します。

ここでは専用の銅板切り作業台を使っていますが、プレートマークも作ることができる兼用のものがあればよいでしょう。そのプレートマーク作る際、ネットではガムテープで銅板を固定している作業風景を見かけますが、もう少しスマートにできればと思います。

尚、銅板切り台等については、「銅板切断、プレートマーク製作の兼用作業台」を参照してください。


アクリルカッターの替刃.jpg
替刃の加工前と加工後

アクリルカッターの刃での切断拡大 .jpg
切り込んだ削り屑


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