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ビュランシャープナーでの側面の研ぎ [銅版画の道具と材料]

市販のビュランシャープナー.jpg
アメリカ製のビュランシャープナーとアルミの当て物

1. 市販のアメリカ製のビュランシャープナーを用いると断面ばかりでなく、側面も研ぐことができます。その側面を研ぐためにしっかりビュランを固定します。それには、アルミで作った当てものを使用します。

当て物は15ミリ幅のL字のアルミから作っています。大きさは20ミリ幅で、ビュランの角に当たる部分は3ミリ程の幅にしてビュランで溝を彫っています。これで、しっかりビュランを固定することができます。これについては技法書で述べています。それから、下部のローラーはそのままで構いません。


ビュランシャープナーでの側面研ぎ2.jpg
ダイヤモンド砥石#1000を用いた研ぎ

2. ビュランの側面を研ぐにはダイヤモンド砥石#1000を用います。砥ぐビュランの側面と砥石の面が接するように高さ調節します。研ぎは水平に動かすと云うか、滑らす感じで研ぎます。

二側面を同じように余り力を入れずに研いで刃に仕上げます。この側面の研ぎはダイヤモンド砥石#1000のみで研ぎ上げます。仮に砥石を変えて研ぐと、高さ調節で最初の研ぎと研ぎが変わってしまいます。

ビュランシャープナーでの側面研ぎ.jpg
別の角度から見た研ぎ器とビュラン

3. 写真はビュランを柄の方から見たものになり、アルミの当てものが見て取れます。これならしっかりビュランを固定することができます。尚、写真のビュランシャープナーの留めネジの頭は作り変えています。


ビュラン研ぎのティッシュペーパー試し切り.jpg
重ねたティッシュペーパーを切り、研ぎ具合を見る

4. 二つの側面を研ぎ終えたら試しに研ぎ具合を見ます。それには重ねたティッシュペーパーを試し切りにするとよいでしょう。写真はその試し切りをしたもので、しっかり研ぎができていることが分かります。

研ぎがしっかりできていれば、次に断面に回った刃返りを取り除きます。断面を研ぐのですが、このビュランシャープナーで研ぐと、研ぐたびに研ぎ角度が変わります。それで手で研ぐか、ボルト型ビュラン研ぎ器で研ぎます。

この側面の研ぎは一度刃に仕上げれば、余程のことがない限り再々研ぐ必要はありません。研ぎ上げた刃を見ると驚嘆すると思います。手での研ぎではこのようにいきません。

側面研ぎ器.jpg
ボルト型側面研ぎ器

5. 市販のアメリカ製のビュランシャープナーがあれば十分なのですが、研ぎ器を購入された方からの要望があって作りました。 使用する際には同じように砥石面とビュランの側面が密着するように高さ調節をします。側面の研ぎは、ある程度ビュランで仕事をした者なら、断面を研ぐよりも難しいと感じるものです。 ものは試しです。もし手元にビュランシャープナーがあるのでしたら、一度実際に研いで見ることです。

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