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印刷時の便利な道具 1 [銅版画の道具と材料]

ミトンとアクリル小片.jpg
アクリルの小片とミトン

写真はアクリルの小片とミトンになります。私がそのように呼んでいるだけです。とてもアクセスの多い記事です。

アクリルの小片は、インキを塗布した版をベッドプレートにおいた際に微妙な位置調整に役立ちます。特に版全面にインキを塗布して拭き終えた版、あるいはメゾチントの版に触れることなく望む位置に置くことができます。私が考案した中で一番のものだと思っています。普通は指先で調整したり、何かニードルのようなもので微調整するのかも知れません。

またミトンを使用することで、印刷用紙を扱う際の紙折れや汚れを防ぐ。これは「LA GRAVURE EN TAILLE-DOUCE / IMPRESSION」と、昔フランス人作家が持っていたものを参考にしました。間単に作ることができます。多くの人が普通に使用している紙切れやプラスチックのカードでも良いと思います。

アクリル小片と原版 2.jpg
小さな版の微調整

アクリル小片と原版 1.jpg
大きな版の微調整

アクリルの小片の使い方は、小さい版の場合は対辺にあてがって微調整します。と云うのは、対角で使用すると版から離す際に版が一緒に動くからである。ここでは同じ小さな版を用いて説明していますが、大きな版は対角に当てて望む位置へと微調整します。

このアクリルの小片は材料自体安価なのですが、ネットにあるアクリル店で切り込み加工をすると割高になります。そして、商品が小さなものでも送料がそこそこ必要です。このようなものは商品としてあっても良いと思います。

防錆紙と原版.jpg
防錆紙で包む

防錆紙に包んだ原版.jpg
防錆紙に版を包んで保存する

また印刷を終えた版はしっかりインキを落とし、写真のような防錆紙に包んで保存します。その際には作品が判るように不要な試刷りを切り取り、スプレー糊などで貼りつけると必要な時に版を見つけやすく整理するにも便利です。

しかし、防錆紙が手に入らないようなら、余白を広く取った試刷りでも良いでしょう。いずれも包む際には裏が上になるようにすると、版に物を落としたとしても疵を付ける心配がありません。一度に全部のエディションを印刷することはまれなので、時間をかけ、思いを込めて製版したものは大切にしたいものです。
 
説明の版はクロムメッキを施していますが、版にとってよいことばかりではありません。それは、メッキの版を疵付けるとその状態では修正ができないからです。一度メッキを除去する必要があります。アクリルの小片、ミトンの詳細な作り方、使い方は「銅版画技法」及び「ビュラン 研ぎと扱い方」を参照してください。
 
アクリルの小片は一度使用するとその良さに気づかれると思います。そして、どちらも必需品になるはずです。これらは、強くお勧めの道具です。


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