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ビュラン研ぎ器を連発用に仕立てる [ビュラン研ぎ器]

連発用研ぎ器ブログ.jpg
連発ビュラン研ぎ器 / 非売品
連発ビュラン / №100(12線)/ ラッピングフィルム研磨紙#4000



閲覧の多い記事として連発ビュラン研ぎ器について書いたものがあります。銅版画では然程必要としないと思います。私は銅版画を始めた頃に興味本位で買った一本があるだけです。このブログにアクセスしているのは銅版画に興味がある人ばかりでなく、木口木版画に携わっている人たちが居るのかもしれません。それで、同じような記事を改めてまとめてみました。

下の写真は連発ビュラン研ぎ器になります。自身用に作ったものではなく、注文があって製作したものです。その研ぎ器を作るにあたって現物のビュランを送ってもらいました。その連発ビュランに合わせてナットの溝をフライスマシンを使用して彫りました。写真の左から刃先角度45°、30°になります。

30°連発用研ぎ器.jpg
刃先角度45°、30°の連発ビュラン研ぎ器

連発ビュラン研ぎ器30°ブログ.jpg
連発ビュラン研ぎ器30

ふと思うところがあって連発用の研ぎ器を作りました。最初頼まれて作った頃はまだラッピングフィルム研磨紙を知らないで居ましたので、それを使って研ぐとどのような仕上がりになるだろうかと思ったからです。それで、四角形の溝ナットを連発用に交換することにしました。それには、ナットの溝を連発ビュランの厚み幅に合わせて彫る必要があり、それは手では無理なのでフライスマシンでエンドミルビットを用いて幅に合った溝を彫ることにしました。フライスマシンと云っても趣味で使用するプロクソンの製品です。これは機能を切り替えるとドリルとしても使えます。

ビュランの厚みをデジタルノギスで計測すると3.03㎜なので3Mのエンドミルを使用します。ただそのエンドミルで彫ると連発ビュランが収まらないのでほんの僅か広げ気味にします。そして、研ぎ器のボルトネジの穴を縦に広げる必要があります。それにはリューターを使用します。写真はそうして作ったナットをネジ留めしたものと、その研ぎ器で研いだ連発ビュランの断面になります。刃先角度は45°です。


連発ビュラン研ぎ器のナット溝ブログ用.jpg
連発ビュラン研ぎ器のナット溝

連発ビュランの断面仕上げブログ用.jpg
連発ビュラン№100(12線)の断面


刃先角度を出すために先にダイヤモンド刃物研ぎ機(#400)で研ぎ、耐水研磨ペーパー#2000でオイルを垂らして研いだ後、ラッピングフィルム研磨紙#4000、#6000と研ぎ、側面も#6000で研ます。12線ある溝の刃返りは自然と取れた感じになります。連発ビュランは手探りで研いでいたのでかなり短くなり、それに厚みも購入したときとは幾分か薄くなっています。連発ビュランは闇雲に研がず、最初の状態を維持しながら研いで使用します。

この連発ビュランですが、しっかり研いで使用している人は居るのだろうかと思います。私が手である程度研ぐことができたのは、例のドリルストッパーを使用してからです。手による研ぎでも時間をかけてしっかり形を作れば十分使用可能な研ぎができます。しかし、こうして研ぎ器を用いて研ぐと間単に研ぎだすことができます。写真は試し彫りになりますがぎこちないです。やはり彫るには少し慣れが必要です。


連発ビュランの試し彫りブログ用.jpg
連発ビュランの試し彫り



追記:
手での研ぎによる連発ビュランについて「ビュラン 手による研ぎ」でも少し触れています。その32頁の抜粋が次のpdfです。手による研ぎでも、ゆっくり、しっかり研げば連発ビュランを研ぐことができます。それと断面の拡大写真を見ると、刃になる下部が一直線になっていないように見えます。それが試し彫りに現れています。やはり購入時の形状が維持できていないのかも知れません。

その他の形状のビュランについて.pdf

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