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真っすぐなビュランの曲げについて / About bending a straight burin [銅版画の道具と材料]

真っすぐなビュラン、それを曲げたビュラン、そして折れたビュラン.jpg
真っすぐなビュラン、それを曲げたビュラン、そして折れたビュラン

このブログのビュラン関係の記事で、下記の記事もアクセスが多いです。

工具鋼(WS) スクエア ビュランを曲げる 1~5
https://intaglio-print.blog.ss-blog.jp/2021-01-30

ハイス高速度鋼(HSS)スクエアビュランを曲げる 1~6
https://intaglio-print.blog.ss-blog.jp/2021-01-31-2

これらは真っすぐなビュランです。ですので、銅版画制作に使用するには、刃先からある程度のところで30°に曲げる必要があります。ただ、工具鋼(WS) スクエアは加熱して曲げることが出来ますが、ハイス高速度鋼(HSS)スクエアは鋼の性質により同じように加熱して曲げることはできません。一度で加熱して曲げることはできないのですが、二度、三度と繰り返し熱することで可能になります。このことについては上記のブログ記事を参照してください。

真っすぐな状態でビュランに仕立てたとしても、小さな版なら彫ることは出来ますが、大きな版には不向きです。線を彫るとしても短い線、あるいは点に近い線などは可能です。例えば、紙幣などです。それに使用するビュランは、少し特殊な形状をしています。また、そのような版なら彫版台(クッサン)は必要ないと思います。

これらの真っすぐなビュランを曲げるにはガスバーナーが必要です。ガスと空気を混合する為にはコンプレッサーも必要です。個人で持っている人は少ないというか、いないと思います。この記事のように、曲げて見たいと思ってもあきらめるしかないかも知れません。しかし、美術学校、あるいは工房に通っているなら設備としてあるはずです。それとは別に個人でビュランに興味を持って取り組んでいて先にあげた場所とは無縁なら、近くの鉄工所などで頼むのも良いと思います。その時はしっかり意図を告げないといけません。職人はあいまいなことを嫌うと云うか、どうしてよいか分からないからです。

同じ様な事柄を繰り返して書いていますが、それは制作における準備と云うことを考慮してのことです。一度良い刃物に出会うとそれなしでは仕事が出来ないと云うか、それなしではしたくないと思います。ですが、私の記事云々で判断せず専門の作家に指導を受けられたらと思います。


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